現在は、そこそこ幸福、将来が不安でも楽観?  国民生活選好度調査

内閣府は28日、2011年度の国民生活選好度調査を発表
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2012062801029

元の調査結果はこれ

国民生活選好度調査は、社会経済環境が変化する中で、国民の方々が日常生活でどのようなご意見をお持ちかをお聞きし、政策運営の基礎資料とするために実施する調査です。
平成23年度 国民の幸福感の現状、ボランティア・支え合う活動(「新しい公共」)、国民の意識とニーズ

http://www5.cao.go.jp/seikatsu/senkoudo/h23/23senkou_02.pdf

毎年行われている「幸福感」や「新しい公共」に係る国民意識、生活や福祉に関する考え方について長期的な人々の意識の変化を把握できる調査。
今回の調査結果は、平成23年度と言っても今年の3月の調査結果、調査対象は2,802人(全国に居住する 15 歳以上 80 歳未満の男女)。

毎年の幸福感の調査結果は、ここ数年変わらず「そこそこ幸福」

”現在、どの程度幸せかを 10 段階評価(「とても幸せ」を 10 点、「とても不幸」を0点)でたずねたところ、平均値は「6.40」で、2009 年度、2010 年度(それぞれ「6.47」、「6.46」)からやや低下したが、大きな傾向の変化はみられなかった”

この結果を5段階に集約すると
「不幸(0〜2点)」:2.5%
「やや不幸(3〜4点)」11.5%
「ふつう(5〜6点)」:34.8%
「やや幸福(7〜8点)」:37.7%
「幸福(9〜10点)」:13.4%
で、全体の平均値的には「ふつう」と「やや幸福」の間にあり、そこそこ幸福という結果。
この「どの程度幸せか」という聞き方に変更したこの3年間は、大きな違いはない。昨年は東北大震災と同じタイミングだったが、その時も「そこそこ幸福」。
「幸福感を判断する時の重視項目」は、「健康」「家族」「家計」が3大柱で、これも変わらず。
「幸福感を判断する際に重視した基準」は、「自分の理想との比較」「将来に対する期待/不安」の2つが例年大きく、過去の自分との比較や他人との比較を突き放している。これも例年あまり変わらないが、「将来に対する期待/不安」がここ2年トップの幸福感の判断基準になっている。

近年揺らぎつつあるとはいえ経済基盤、社会基盤がしっかりしている日本としては、現在は「そこそこ幸福」と。

将来への悲観の見方は高いが、、、まあ将来も幸福かな?

今日の違うニュースでは、
東京、アジアで最も将来を悲観か 米運用会社調べ
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2706C_Y2A620C1EB2000/

アジアの中で東京の人は将来に最も悲観的か――。米大手運用会社フィデリティ・ワールドワイド・インベストメントの貧富をテーマにした調査で浮かび上がった。
アジアの主要10都市で「自分の子どもが40歳代になった時にどの所得階層に入っていると思うか」との設問に対し、「低所得層」との回答が東京は28%と最も多かった。平均の10%、上海やムンバイの2%を上回った。
さらに「今後10年間で自分の所得階層がどのように変わるか」との問いでも、「悪化」との回答は東京で36%と、2位のソウル(24%)を引き離した。

調査は今年の3月でインターネット調査。シンガポール台北、香港、ソウル、上海、ムンバイなどアジアの10都市に住む各500人強に聞いたものらしい。

アジア10都市の比較調査だが、将来に関して東京が最も悲観的と。
この調査に限らず、将来に対する意識調査で日本(上記調査は東京だけど)の悲観的な結果は良く目につく。

先の幸福感調査では、「将来に対する期待/不安(まあ、上の調査結果から見ても不安の方が大きいでしょうね)」が最も大きな幸福感の判断基準の中、「そこそこ幸福」という意識だった。日本人にとって、「将来に対する悲観という認識」は現在価値に割り引くと、たいして幸福感を下げないのかもしれない(マイナスの現在価値が大きくないと)。

これが仮にあってるとすると、どういうことか?
〇日本人、将来の期待/不安価値はたいしたことなく、将来の見通しなんて、現在は実は気にしてない(というか価値がない)
〇日本人、将来の価値うんぬんよりも、現在のマインドの方が数段重要
これって悲観主義じゃなくて、楽観主義って言うのじゃないかしら。