財務省マジックってそういうことだったのか会議 これは野田さん巻き取られるなあ

前年度の国の財政 剰余金を巡っての話。野田さんを操る財務省マジックの一端が見える。

まずは、日経の記事
■補正財源、2兆円規模 政府、剰余金全額活用を検討
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0203U_S2A700C1EE8000/

財務省は2日、2011年度の国の一般会計決算(概要)を発表した。国税収入は42兆8326億円となり、直近の第4次補正時点の見積もりを8026億円上回った。予算の使い残しを合わせた剰余金は1兆2301億円となり、復興財源に繰り入れる約7500億円を含めると12年度補正予算案編成に向け、少なくとも2兆円規模を確保できる見通しになった。

政府は11年度決算の剰余金を活用して12年度補正予算案の編成を検討している。財政法は剰余金のうち2分の1を超える額を国債の償還にあてると定めているが、政府内ではこの規定を特例法で外し、復興事業を中心とする補正予算の財源にする案が有力だ。

昨年度の財政剰余金1.2兆円と復興繰越剰余金の0.75兆円の合わせた2兆円を復興事業の補正予算にばらまくと。

財務省の報道発表ソースは、これ
https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/account/fy2011/ke240702.htm

歳入の当初見込みに比べたプラスは、「税収 +8,026億円」、「税外収入 +2,534億円」の 1.05兆円
歳出の使わずに残った分は、「国債費(低金利分)+6,411億円」、「予備費(何と!災害の備えで残った分)+2,751億円」、その他(不明):+9300億円の1.84兆円
で足すと剰余分2.9兆円(公債費、補正分除く)。


で、今日読んだ記事
「経済を良くするって、どうすれば」  偶然の一致を見せた決算
http://blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba/e/4339d93a594152b8ebf63adbda813e8b

(略) すべてを合計すると、2兆9000億円になる。ただし、このうち、税収上ブレ分の1/3にあたる2200億円は、交付税として地方の取り分になるから、国が使えるのは、差し引き、2.6兆円余ということになる。この「2.6兆円」という数字なのだが、これは、今年度予算で財源がないとして、交付国債という「約束手形」で措置された年金の国庫負担分に、「偶然」にもピタリと一致する。

おお、なるほど。

この今年度の交付国債については、、

■年金交付国債見直しへ 苦肉の“粉飾”あえなく瓦解 2012.4.9のサンケイ
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120409/fnc12040921170016-n1.htm

政府が、基礎年金の国庫負担2分の1を維持するための財源約2兆6千億円を将来の消費税増税で穴埋めする「年金交付国債」の発行を断念する公算が大きくなってきた。野党が“粉飾まがい”と批判を強めているためだ。代わりの財源を捻出するために赤字国債を発行すれば、平成24年度予算で表面上は取り繕った財政規律の維持が早くも瓦解する。本格的な歳出削減や社会保障改革に踏み込まないまま消費税増税で乗り切ろうとする野田政権の限界が浮き彫りになっている。---(略)

(略)24年度は埋蔵金が枯渇したため、将来の消費税増税をあてこんだ年金交付国債という奇策に頼ることにした。---

交付国債は、26年度から20年間にわたって消費税増税分を返済にまわすことを確約した“約束手形”のようなもので、発行時には一般会計に計上しなくて済む仕組みだ。これにより、24年度予算の一般会計の国債発行額を「約44兆円以下」に抑えるという財政健全化目標との帳尻を合わせることにした。
ただ、実態は赤字国債とほとんど変わらない“隠れ借金”でもあり、自民党など野党は「安易かつ粉飾的手法だ」と批判。一般会計に計上される赤字国債の発行で、財源を確保すべきだと主張していた。--(略)

たしかに今年度予算審議当初は、社会保障のための交付国債2.6兆円は、将来の消費税増分の約束手形で、実質は赤字国債と変わらないからと野党からも追及され、野田さんは困っていた。

そして先の記事「偶然の一致を見せた決算」の続き、、、(省略しています)
”交付国債は、--- 増税の後押しになった。そして増税が決まり、将来的な財源確保にメドがついたということで、晴れて国債による財源の充当の約束がされようとしている。とは言え、この作戦は、両刃の剣であり、無責任を謗られる心配もあった。そうした思わぬ方向に行った場合の抑えとして、剰余金を役立てるつもりだったのだろう。”

”結局、今回の決算剰余金は、消費増税に賛成した人たちの「功労金」として、補正予算のバラマキに使われるようである。もちろん、財政当局としては、それも想定して用意していたものだろう。そして、もし、バラマキの圧力が弱ければ、すんなり年金財源に充て、剰余金などなかったかのように、きれいに「消す」という両様の構えだったと推察される。”


うむ。野田さんもできれば避けたかった交付国債を昨年度の剰余金で賄うマジックの段取りをつけておいて、野田さんに消費税増税を推進させると。で、増税案が衆院を通過して決まりそうな今、もう社会保障費などによる赤字分は国債に頼ると。
さらに、先の日経新聞が吹かしたように、剰余金は国債の償還に充てず、ばらまくと。やっぱし、税と社会保障の一体改革なんてうそで、ばらまきのための増税だということも見えてくる。

これが世の中でよく言われている財務省が野田さんを手なづけているマジックの一つなのかあ。
「経済を良くするって、どうすれば」の記事は勉強になりました。