今日は日本の歴史の転換点(転げ落ちる方の)なのかな?  消費増税法案、衆院本会議で可決の日

消費増税法案、衆院本会議で可決
http://www.asahi.com/politics/update/0626/TKY201206260548.html

消費増税法案は26日の衆院本会議で、民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決され、衆院を通過した。現在5%の消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げる。賛成は363票、反対は96票。

野田首相「造反残念」「解散、適切な時期に」 会見要旨
http://www.asahi.com/politics/update/0626/TKY201206260548.html

【国民へのメッセージ】
 一体改革も、経済の再生も、行革も、政治改革もやる。---略 決めるべきときに決める、先送りをしない政治を作り出していきたい。

造反議員への処分】
党代議士会で「一致結束して改革を成し遂げよう」と話したが、極めて残念な結果だった。政党なので当然、党議拘束がかかっている。---略

衆院解散・再選】
やらなければいけないことをやり抜いた後に適切な時期に民意を問う。(党代表選で再選を目指すかは)話があさってに行き過ぎている。

【野党との連携】
針に糸を通すような大変粘り強い作業になることもあるが、ねじれ国会の中で与野党が合意をしながら前に進めないと物事は進まない現実がある。その中でお互いに歩み寄って知恵を出す実例はいくつか出てきた。政策のスクラムを組む可能性があるものはしっかり見つけながら与野党の協議をやっていきたい。

【小沢元代表
国民の生活が第一」という理念の原点は、踏まえているつもりだ。なぜ一体改革で齟齬(そご)が出るのか分からない。

消費税率が2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げる法案が衆院を通った日。未来から見て、今日はどのような日に映るのだろうか?

合理性が全くない現状を簡単に整理すると、、

そもそもは、日本の膨大な財政赤字をどうしましょう? ギリシャになっちゃうぞ、という問題意識が、ここ数年大きく出てきた。

ここ2年ほど、民主党が迷走(沖縄基地問題など)している中、2年前、当時の管総理がいきなり財政赤字に対して消費税を上げざるを得ないと吠え、参院選挙で惨敗。その後の東日本大震災津波被害、原発事故対応で、思ってもいない数十兆円(もっとかも?)が必要な状況になり、ヤバさが増した。

昨年後半に出てきた野田総理が、消費税単独じゃなく、税と社会保障の一体改革というアジェンダをいきなり出し、良いか悪いかよくわからん(まあ、年金とか社会保障問題がokになることと税が上がることの判断は難しいから)状況になる。で、他の政策案件も含め、政治が動かない状況が続いた。

今年、3月以降、野田イノシシが、一層ブヒブヒ言いだし、民主党がマニュフェスト公約を大半反故にした責任は置いておき、動かない政治に対する責任!とか言って、税と社会保障の一体改革は、必ずやる(政治は動くという証明)と言いだし、、 ただ、
「動かない政治を動かす!」というのは大半の国民に響いておらず、マスメディアが消費税up重要<キリッ!>という空気づくりを画策しながらも、一向に野田ガンバレという空気は起こらない中、民主党を中心に政治家は政局でうようよという状況になり、、
今日は、消費税上げる、けど社会保障の最大の問題である年金、高齢者医療費はシカト、という法案が通るという状況に至ると。。

このトホホ状況を合理的にチェックすると、問題の所在は結構クリアだ。
1)消費税を10%に上げたところで財政赤字の解決は無理
 これは、例えば木走正水(きばしりまさみず)さんが、指摘するように、今の税体系バランスじゃダメ。

(前略)平成元年ではGDPは410兆1222億で54兆9218億の税があるのに、今年度では478兆9362億と元年より70兆近くGDPは伸びていることが予測されているのに、税収は逆に42兆3460億と、12兆5758億も減収になっているのです。
つまりこの平成23年間、この国はほぼ一貫して「減税」されてきたのです。何の税目が減税されてきたのでしょうか。所得税法人税であることは明らかです。---略
所得税法人税の減税が大きすぎて消費税では補えず、毎年度のプライマリーバランスに壊滅的な赤字をもたらしました。--略
http://blogos.com/article/41945/?axis=g:0

2)税体系の改革、社会保障の(削減)改革は、うやむや
上記のような所得税法人税の減税是正などの方針はなく(だって、法人税上げたら経団連怒るし、、、)、社会保障の削減方針もなく(だって、偉いおじいちゃんにおべっか使わなくちゃ、表向きは高齢者福祉の充実キリッ!)という状況だと、抜本的な解決策は出せていない。

3)財政赤字の削減を小さくても出来ることからやるならまだいいが、やる気あるの?
今日の別の記事

■11年度税収、8000億円上振れ=補正財源に充当も
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120626-00000014-jij-pol

2011年度の国の一般会計の税収が42兆8000億円前後に達することが25日、明らかになった。法人税を中心に納税額が想定を上回り、2月に成立した第4次補正予算で増額した後の見積額42兆300億円から8000億円程度上振れする。----与野党から景気対策の財源に充てるよう求める声が高まりそうだ。
税収が補正後の見積額を上回るのは3年連続。---- 

予想よりも税収が上だったら、財政赤字の補てんではなく、景気対策でばらまくと(まあ、これが良いか悪いかは議論になるが)。
これって、消費税上げて(税収が上がって)、本当に財政赤字の削減に使う気あるの? という疑念が生じる。

まあ、消費税アップは財政赤字削減の効果がなく、最大の問題の社会保障には切り込まず、税収がアップしても財政赤字を埋めていく規律があるのか疑問(はっきり言えば、消費税アップって、ばらまきしたいからじゃない?)という3つが問題になる。

打ち手は厳しいものしかないのだが、、

で、このようなトホホ状態の中、先に挙げた朝日新聞記事のように政治は政局でうようよ。

解決手段は、最大の問題である社会保障費削減については、年金や高齢者医療費を「極めて穏やかに」削減していって、時間を稼ぐしかない。
ドラスティックに平成の楢山節考するって意見もあるけど、、、
■「お年寄りを見殺そう」という第三極の政治勢力
http://blogos.com/article/41934/?axis=g:0

税収アップして新たなばらまき、という新たなシロアリ(役人の無駄使い)については、新たな市民のチェック機構が必要になる。これは、いろいろな人が動き出していて、僕も何らかできれば、、とも思う。
■例えば、、津田大介の「メディアの現場」
http://www.mag2.com/m/0001334191.html

意味が希薄な消費税増税については、、まあ、デフレが続き、欧米もイマイチなことも含め円高も続き、という状況を「世界の通貨経済の最後の番人としての日本円、いいね!」という気概で乗り切ると(・・・まあ冗談です。本当は2009年選挙で民主党に投票した自分を反省すると)、、

そんなことを考え、少し暗くなった今日でした。