「Interop Tokyo 2012」地味だが好感が持てた今年のイベント。これが日本の生きる道かな

Interop Tokyo 2012」が、2012年6月13日から15日まで幕張メッセで行われ、今年も参加してきた。http://www.interop.jp/2012/
1994年から開催されてるこのイベント。ほぼ毎年見に行っていて、たまに、じみーにプレゼンとかしている。今年も片隅のステージで3年続けてのプレゼンのお仕事。そう言えば、震災で開催も危ぶまれた昨年は、会場近くの海浜幕張駅のカラータイル舗装が液状化で破壊されていたり、イベント自体も悲壮感が漂ってたことを想い出す。
今年は、さすがに”悲壮”な感じは無いけど、地味で真面目な印象が残った。以下、備忘録も兼ねて感想メモ。

SDN、OpenFlowが最も人気があった!

今回の主要テーマの一つがSDN(Software Defined Network)やOpen Flowという裏方のネットワークインフラの話で、このテーマのコーナーが最も人を集めていた。(例えば→http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120614/402402/?ST=network
SDNは、確かにThe Internetに代わる次世代のネットワークとして注目されている。パソコンだけじゃなく、スマホやマシーン同士(M2M)のトラフィックが拡大したり、動画とかリッチコンテンツが増えて、新しいネットワーク基盤が必要!というのが背景としてある。関わっているプレーヤーもGoogleとか、FaceBookとか期待できそうだし、何と言っても「新しさ」はこの手のイベントにとっては重要な要素だから、人気コーナーになってもおかしくない。
また、この手のICT関連技術は、大半が米国onlyなのに比べ、SDN/OpenFlowは確かにシリコンバレーが中心だけどNECとかがんばってるし、日本市場での取組が結構進んでたりするのでInterop Tokyoとしても力が入ったのだろう。
ただ、やっぱ地味でした。SDNの基調講演で「将来のネットワークはすべてSDNベースになる」(→http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120611/401562/?ST=network)とかの話も、まあデータセンター周りは別として、すべてのネットワークがSDNと言われても、先が長くてピンとこないし高揚感は無い。その辺は、出展各社も意識してか、「今、SDNで、ここまで繋ぐことができる」という真面目な実証試験コーナーが多かった。将来ビジョンよりも足元から、というデモ展示は、まあ、お勉強にはなりました。。

Multi-Screen(マルチ・スクリーン)がアプリのKW(キーワード)

じゃあ、アプリケーションで何が目立ったかと言うと、マルチスクリーンとかデバイス連携サービスとか。マルチスクリーンって、1つの画面で、いろいろなサービス・コンテンツを楽しむというもの。ようはTV見ながらPCでFBしているのは時代遅れで、これからはスマートTV画面でFBのAppsで簡単にやりましょう、というような話。
バイス連携サービスって、パソコンやスマホでいろいろ興味あることググってると、それをあちらがターゲティングして、街を歩いているときデジタルサイネージで君の興味のあるカスタマイズ広告出しますというような話も含めたデバイス間連携コンテンツ流通サービスのこと。
ユーザはググルとか、キーボード打つとか、興味のあることを探すとか面倒なことしなくてokな世界が始まると。。。
それはそれで、ある種おもしろい世界だけど、今回のイベントはやっぱ地味でした。この手のビジョンは、数年前からCESとかで、いろいろ語られていて新規性は、ちょっとつらい。で、実際のデモは、スマホタブレットも韓国製やipadで、わかりやすい(出展している日本企業製の)ハードでガンガンPRするのが出来ないと。。。地味になるしかないなあ。
この分野の出展ブースも、HTML5プロト使ってデバイス間繋げるけど、この辺がまだ難しいとか、新しい技術を使って四苦八苦している現状を素直にデモ展示しているのが多かった。で、この真面目なコーナーもお勉強になりますた。

地味なブリコラージュ型Appsビジネス、からでもいいじゃない

2つほど今年の主要テーマかなと感じた点を話したが、Interop Tokyo 2012は、本当に地味で、真面目だった。去年の震災後の悲壮なInterop Tokyoはおいても、ここ数年続いていた”日本経済つらいけど、ICT流行ものでイケイケ”という感じを漂泊して、やるしかないでしょ、という、ある意味で居直りとも感じられる地味なメッセージは、結構好感が持てた。
壮大なビジョンやコンセプトを語るのはつらい。ただ、最新技術を早めにキャッチアップして、いろいろアプリ(App)考える。で、おもしろいのもちらほら。(→例えば、sound signage http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120615/402741/?SS=imgview&FD=-947049316&ST=system)。
AppsやAppとhardのちょっとした組合せで、日本のICT産業が復活、、なんてことはないが、この辺のブリコラージュ型ビジネスは、いいかも、と感じさせるイベントではあった。ちまちましてるけど、日本の(ICT産業とか大きな話ではなく、個々として)生きる道かな、とも思った。